忘却の彼方から

まだ雪が降り積もる前の今月中旬、うちの犬が山で見つけた果物の一種とおぼしきものをくわえて来た。

 

獲物を捕まえたのが誇らしげ。

 

それを私にくれるのかと思って手を差し出すと、くわえたまんま距離をとって、ムシャムシャ食べ始めた。

 

なんだ、自慢したかっただけか。

 

でも、食べて大丈夫なやつなんだろうか?

 

少し心配になってググってみると、キカラスウリというものらしかった。

 

カラスウリ...

 

なんか怖そうな名前。

 

「木を枯らす瓜」と思ったが、漢字にすると黄烏瓜で、黄色のカラスウリという意味らしい。

 

食べても大丈夫なツタ植物の果実らしく、ひと安心。

 

根は「てんかふん」になるのだと書かれてあった。

 

ひさびさに声に出して言ってみた「てんかふん」。

 

そうだ!

 

子供の頃は「ベビーパウダー」なんて言わず、「てんかふん」か「シッカロール」って呼んでたんだった。

 

それをポンポン肌にはたいてつけるから、幼児期には「ポンポン」って言った。

 

 

 

 

そこで、はたと気がついた。

 

 

年をとると忘れっぽくなるのは、物の名前が時代によって変化するので、覚えなきゃならん単語が若い頃の何倍にも増えて、頭の中のHDが足りなくなるからじゃないか?

 

うまく忘れて空き容量こしらえないと!