恋しかりけり

紀貫之

世の中はかくこそありけれ吹く風の目に見ぬ人も恋しかりけり

 

 

忌野清志郎が亡くなって、どれくらい経つのだろうか。

目に見ぬ人、だからこそ一層、恋しかりけれ、である。

 

RCサクセションのアルバムの中では、「BLUE」がダントツで好きである。

ON TIMEでは、当時親しかった友人が持っていて、テープにダビングしてもらって聞いてた。

 

その頃を思って詠んだ歌・・・

あの頃のBLUEはどこか透明で抱えて行けた多摩蘭坂

村上龍氏の「限りなく透明に近いブルー」も、友達の誰かが貸してくれたっけ。

 

しかし、せっかく友達がダビングしてくれたテープをいつしか失くしてしまった。

そして、あっという間に、テープやレコードではなく、CDの時代になってた。

『新品なり、中古でなり、買おうかなあ』などと考えちゃあ、やめて、うん十年が過ぎ去った。

 

去年のある日、ふと「BLUE」が無性に聞きたくなった。

最寄りのブックオフで探したら、運良くあったので、即買って、CDを車のカーステに差し込んだ。

6曲目の「チャンスは今夜」で思い出した。

なぜ、ずーっとこのアルバムを買わなかったのかを。

 

「トッポイふたりさ」「マブイぜBaby」

たったこの二つのフレーズが、ダサく思えて、嫌いだったんだった。

あとは全部好きなのにな。

 

亀の甲より年の功、だろうか。

今は、嫌な所スルー出来てる。