いかに待つべき

藤原定家

久方の中なる川の鵜飼舟いかに契りて闇を待つらむ

 

 

あれはいつだったか、この夏スペインのマドリードで、気温40度とか報道されていた。

うちの近辺に棲んでいるイソヒヨドリは、例年なら、電柱やら高い屋根のテッペンで、「ここはワシのシマやどー!」とばかりにピーヒョロ鳴いているのだが、この夏は軒下の日陰で涼を取りながら控えめにさえずっている。

半世紀はもう生き延びてしまった私だが、7月から日本で、このような高い気温が延々続くというのは、あまり経験無かったような記憶。

異常だ。

 

冒頭の歌の詠み主である定家の時代も、異常気象に人々は苦しんだそうだ。

1230年の夏は異常な冷夏だったらしい。

6月9日(新暦7月27日)、中部地方から関東地方にかけて雪が降り、美濃国では二寸(約6cm)積り、信濃国では大雪だったという。

京都に住む定家は、寒さで綿入の衣を出して着るほど。

そして、台風被害もあり、作物に大打撃。

冬は逆に暖冬で早熟の麦に実が入らず、米にも麦にも困る事態に。

翌年の6月には道路や河原に餓死者の死体が満ち、7月には疫病の流行。

中公新書「荘園」より)

鎌倉時代のおてんとさまは、現代の異常気象よりも異常に感じられる。

 

ところで、私は「やりすぎ都市伝説」が大好きである。

そこで放送された予言的なものの答え合わせをしようと、ちゃんとメモをとっているのである。

「ひまかっ!」とツッコまれそうだが...

ま、いいじゃないか、誰に迷惑かかるわけでもなし。

それによると2030年に氷河期が来るそうな。

今の7月からのこの極熱からすると、「うっそー!」と思えるけど、昨日の朝日の朝刊にこんな記事が。

 

『大西洋の循環 止まる恐れ  「2025〜95年までに」気候に深刻な影響も』

要約すると、大西洋の南北方向を流れる海洋システム「大西洋南北熱塩循環(AMOC)」が、ここ数年弱まっているのだそうで、このまま行くと、早くて2025年、遅くとも95年までにAMOCが止まってしまうのだと。

 

ちょうどこの記事の上に日本の人口減の記事があったけど...

働き手不足とか、税金収める人が少なくなるとか...

そんなもんどーでもええ事に思えてくる、インパクトありすぎの怖い記事である。

その海洋システムが止まってしまうことで、地球全体に果たしてどういう影響があるのか?

なってみんと分からん、てな事は、実際この世には多いしな。

 

近代以降、技術革新とは言うものの、それで人類が好き勝手やってきたツケが回ってきたとも思えてくる。

異常気象に関してCO2の排出の問題がよく取り上げられがちだけど、もっと気になるのは核がらみ。

核実験だけでも、これまでどんだけあったことか。

原発から出た核のゴミを某先進国は海に廃棄したっていう話もあるし(日本のことではおまへん)。

こういう事からの悪影響が無いわけが無い。

おかしくならない方がおかしいくらいだ。

 

それに加えて、定家の時代の異常気象を考えると、人間の及ぼす悪影響と、元々の地球のサイクルのめぐり合わせと、ダブルパンチなのかも。

 

そういや、去年、夏に異常を感じて詠んだ拙い歌があったっけ。

虎太郎

あな怪し雪呼ぶ雪虫蝉の鳴く空に舞ふまでこの世や狂ふ

 

ちょっと肌寒くなってきた頃に見るはずの雪虫を、夏の最中に見て、秋過ぎて、冬はドカ雪が来た。

大雪で道路が不通になり、スーパーから生鮮食品が何日も消える事態になってしまった。

普段、牛乳飲まない私が、雪かきで疲れたら、やたら牛乳飲みたくなったけど、まーったく牛乳がスーパーに入ってこないってゆーー。。。

 

この年にもなると、たいがいの事にはビビらなくなりまっけども...

異常気象は体力的にキツ。。。

せめて毎日ちょこっとでもオモロイ事考えながらお迎えがくるまで生きまひょ。

 

あ、そうそ。

「都市伝説」によると、2025年には全人類にマイクロチップが埋め込まれるそうで...

人間より先に埋め込む必要ありそうなのは犬猫。

その犬猫にさえ、全部にはマイクロチップ現時点で埋め込まれてないから、これは外れそうねー。

少なくとも、若かりし頃でさえ、怖〜てピアスよう開けれんかったワテには、この年になって体にチップ埋め込むなんぞ、とんでも8分歩いて15分っ!

テクノポップは好きだけど、新しいテクノロジーを手放しで礼賛するのって、何か違和感。。。

技術以前の、何か根本的な欠陥...他の生物には無い人類だけが持つ病的な何かに、薄気味悪さを感じる。

 

さて、それよりも...

誰かゆーてくれんか?

阪神優勝の「都市伝説」を。

(愛するチームの優勝を都市伝説呼ばわりすなっちゅう。。。)