先日の「報道特集」は、ジャニーズ問題がテーマだった。
ジャニーズ事務所が力を持つきっかけは、TBSのドラマ「金八先生」が大きかった事は間違いなかろう。
あの時のたのきんトリオから、ジャニーズのアイドルが次々生まれたのは確か。
だから尚更、なのだろうか。
被害者のインタビューの内容も、これまで他の局のものより、かなりつっこんだ内容だった。
思えば、北朝鮮による拉致事件をいち早く取り上げたのも「報道特集」だった。
まだ、ソ連が存在していた時代にだ。
まだサリン事件が起きる前のオウム真理教の件でも、筑紫哲也氏健在の頃のTBSのNews23が一番切り込んでいたと記憶している。
まだまだやる気充分のTBS。
朝日には以前、「ザ・スクープ」という優れた番組があったが、それがなくなってしまい、「朝生」は安倍政権辺りから、ひよった様に見えているのと対照的だ。
出来れば、ジャニー氏の民事事件の段階で取材して欲しかったというのが、本音ではあるけれども。
社会問題をジャーナリズムが見て見ぬふりをしたら、もう世の中終わりだよ。
どこぞの国のようになってしまう。
ところで、見て見ぬふりというのは、学校でも職場でも世間一般に多い事だ。
明らかにおかしな事でも、誰も何も言わず見過ごしている間に、それが普通の事のように認識されてしまうようになる。
逆に、それはおかしい事なのだと指摘する側が責められるまでに。
そんな風に狂ってしまう集団心理は、人間ゆえだろうか。
今回のこのジャニーズ問題だが、BBCが取り上げた所から問題意識が広がって行ったが、その前提として、#MeToo運動があった事が大きいと思う。
それと、BGLTQ+の運動で、同性愛も異性愛と同格に見るべきという意識が高まり、その結果、異性間で生じる性犯罪と同様に、同性間で生じる性犯罪への見方にも変化が起きたのだと思う。
いずれの運動も、日本は後追いになっているというのが残念ではあるけれど...
それでも前進には違いない。
夢を売る世界で起きた事件だけに、希望を持てる解決に至ればなと思う。
これ以上、被害者が出ないように。
被害者の傷が少しでも癒やされるように。
人間に希望を持てない世の中なんぞ、地獄でしかない。
地獄...
さる仏教国のお坊さんの話によれば、地獄にいる者にとって地獄は地獄とは映っていないのだ、と。
地獄を地獄と認識出来るようになった時に、地獄から脱するのだそうだ。
人間社会の本質をとらえた上手い喩え話だと思う。