言葉は大事だよ

ロシアのウクライナ侵攻から早丸二年、今日の朝刊はその関連記事が多い。

中でも目を引いたのは、ウクライナから単身避難してくる若者が増えているという記事。

18歳から義務となる徴兵を避けて16〜17歳の青年が一人で避難してくる例が目立ち、進学や就職の問題を抱えながらも相談相手さえおらず孤立してしまうケースが多いという。

 

様々な苦難が予想されるけれども、ずっと日本で暮らしていけるのかどうかの一番のネックは言葉だろう。

 

語学が趣味の私は、これまで色々な外国語に挑戦してきたが、続けられないで途中で挫折した外国語は、新たに覚えなきゃならない文字が多い言語だった。

 

その経験から、外国人にとっての日本語学習は、他の言語に比べて、かなり難しいのではないか、と思う。

ひらがな、カタカナはマストで全部覚えて、さらにその上に、相当数の漢字も覚えなきゃならないのが日本語。

漢字は、大学・一般程度で3000字覚えなきゃならない。

それに、読みには音と訓があるから、この倍以上は漢字だけで覚えなきゃならん事がある。

単純に英語を学ぶのと比較しても、日本語学習には文字数とその読みだけで天と地ほどの違いがある。

 

日本が好きで、母国で日本語を勉強してから日本に来た人でも、なかなか越えられない壁である文字。

話し言葉は相当に出来る人の中でも、日本語の文字を読んだり書けたり出来る人となると、ガクンと減ってくるんじゃなかろうか。

(私の周辺では、文字の読み書きまで相当出来た外国人は台湾人ひとりだけ。台湾は簡体字じゃなく、日本の旧字の漢字を使うからハードル低いのかも。)

 

 

実際、ただ一人外国で短期間生活するだけだったら、それほど語学が出来なくても身振り手振りジェスチャーでなんとかなることは多い。

でも、本格的に根を下ろして、仕事持って家族持ってとなると、役所に行ったり病院に行ったりの手続きが必須で、そこそこ言葉が喋れて、聞けて、読めて、書けてという能力は欠かせない。

 

避難してきたウクライナの若者達は、あらかじめ日本語を勉強してきた訳ではなかろう。

夢を持って外国に渡って来たのではなく、命からがら逃げてくるしかなかったのだ。

普通なら、まだ親のスネかじってダラダラ学生やっているような若さで、たった一人で。

 

場当たり的に避難民を受け入れておしまいにしてしまっては、ゆくゆくこの先、どちらにとっても良い結果を生まなくなる。

なんとか良い方策を練りだして、少しでも避難してきたこの国での不安感を払拭出来ればな、と思う。

少なくとも受け入れを認めた国には、その義務はあるだろうよ。