我が相棒

お題「普段ペットと何を話す?」

 

うちの犬は満2歳になった。

子犬の時期を過ぎて、手もかからなくなり、近頃は成長したなと思わせることが多くなった。

 

犬だが、猫のように体がしなやかで、毎日散歩に裏山に行くと、リュウノヒゲでフカフカしているところにゴロンと団子のように転がって私に足とおしりをぶつけてくる。

で、そのまま仰向けになって、お腹をなでてくれ、と。

 

「お前はホントに幸せな子だねえ。このあまえんぼめが。」と言いながらお腹や足や首をさすってやる。

 

散歩に行くときには決まって、おもちゃ兼おやつの鹿の角の食べさしを口にくわえて持って歩くのだが、草むらの中に何かを見つけて飛び込む時には、くわえていた鹿の角のことなんか忘れてしまって、そのままどこかへ落としたまんまになる。

 

そこで、私は手で鹿の角の形を作って犬に見せながらこう言うのだ。

「コレはどこへやったん?あんたの大事なおやつ、探して!」

すると、犬は失くした鹿の角を思い出し、探し出す。

うまく探出せる時もあれば、駄目な時も。

打率5割といったところか。

 

満1歳で成犬になる犬種なのだが、満1歳半くらいから結構言葉が通じるようになった。

それでついつい、時々はうちの爺のことを愚痴ったりしてしまう。

「もしあの爺さんと一緒にいてクマに出くわしたら、戦わなくていいからな。吠えて追っ払ってくれたらいいだけだから。危なくなったら、爺さん放っといて逃げろよ。」

 

さて、今のところ、うまく野獣を追っ払ってくれている。

同じ犬種を飼う猟師さんの話しによれば、むやみやたらに犬を大型野生動物にけしかけるのは、無駄に犬に怪我を負わせるだけなので良くないらしい。

至極ごもっともな話しだ。

うちの爺は、中型犬のこの犬一匹だけでクマをやっつけることが出来るなんて呑気に考えていて、私が「そりゃあムリなこった。秋田犬でさえ、数頭でチームを組んでクマを追い込むというのに。」と説得しても全く受け付けなかった。

直接猟師さんから狩猟の実話を色々話してもらって、ようやく爺は納得したようだ。

年取って頭が固くなるのは、世間一般によくあることだが、うちの爺の場合は若い頃からだから、地頭が悪すぎるのだともう諦めの境地の私である。。。

 

 

さて、太古の昔から人間が犬と共存してきたのが何故なのか、この田舎にいると実感として分かるようになった。

元々犬が大の苦手だった私にも。

「犬はバディなのだ!」と。